各話の解説

  タイトル   解説
第1話
「つばさくんのにっき」
導入として日記体の文章を選びました。子どもにとって、もっとも日常的な事柄を題材としたかったからです。また日記は、生活記憶の独白であり、現実との飛躍の大きい物語(ファンタジー)よりも、語り手の視点に立ちやすい、と考えました。

第2話 
「おおきな はこ」

動物が登場する物語ですが、擬人化されているので、「だれ」という疑問詞を用いています。括弧で会話部分が表されますが、話者が明示されていないので文脈から判断する力が必要です。また「どうした」「どうなった」など句・文での解答が求められる設問が出てきます。

第3話 
「どうぶつの はなし」 
身近な動物の特徴を述べた説明文です。AはB、AはBがC、という形式で、主題に対する判断・叙述がなされています。最終話では、「どうして」という理由を問う疑問詞も登場します。
第4話 
「ろけっと」
男の子が宇宙旅行をするSF(?)です。14回に分かれている長いお話なので、全体のストーリーを維持して読み進むことが必要です。「しゅっぱつ」「たんけん」など、少し難しい語句も出てきます。昔話の典型である往還形式のお話なので、親しみやすいと思います。

第5話
「どんなものがある?」
各カテゴリーの代表を3つあげ、短い説明つけたものですが、カタカナが多用されています。また、表で内容が示されているのも特徴です。それから、解答者の嗜好を問う設問が、最後にありますが、自閉症などで自己心理の洞察が困難な子どもには、難しい問いかも知れません。
第6話
「あかいぼうし」
人間と動物が交流する物語です。ここでは「赤い帽子」が別のものに見立てられる、という内容に、難しさがあります。Aは帽子を〇〇と間違えた、という直接的な表現はないため、文脈から状況を推測しなければなりません。比喩の理解にもつながるものです。

第7話
「かいものに いった」 
身近なお店を紹介する日記文です。一週間の曜日および昨日・今日・明日の時制で書かれており、未来表現の文も出てきます。また、各話の事物と対応した助・序数詞も登場します。設問はパターンを統一してあり、「どんな」「どうやって」などの疑問表現への解答を学習する狙いがあります。
第8話 
「げんきでね」
ふたりの男の子のこころの交流のお話です。今までのお話と比較し、より高度な心情の理解や、可逆的状況の読み取りが求められます。連続したセリフ場面もあるので、話者を正確に把握することが必要です。「ゲームのソフト」が出てきますが、みんなよく知っているようです。
第9話 
「海へ行こう」
海の生きものの解説です。漢字が多く用いられていますが、文や設問は平易な内容になっています。しかし最近は、生きものや自然に接する機会が少ないせいか、イメージが沸きにくい子どもも多いようです。

戻る